コラム

ウェブサービスと法律

フリーランスがChatGPTを利用する際に注意すべき3つの法律

ChatGPTの登場からその性能が格段に向上し、今では様々な分野において活用されています。その一方、ビジネスに利用する場合の情報漏洩や回答の不正確性、著作権侵害など、様々な問題が指摘されています。

ChatGPTの「注意すべき利用規約の3つのポイントと社内での利用方法」についてはこちらのコラムをご覧ください。

今回は、フリーランスがクライアントから業務委託を受けた際に注意すべき3つの法律についてみていきます。

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1.個人情報保護法

まずは、個人情報の取扱いに注意する必要があります。ChatGPTに個人情報を入力する際には、個人情報の第三者提供にあたる可能性があります。

個人情報保護法では、個人情報取扱事業者が個人情報を第三者(この場合はChatGPT)に提供する場合には、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要があるとされています。(コラム:確認しておきたい『第三者提供』にあたる場面/あたらない場面の具体例をご参照ください。)

たとえフリーランス自身が個人情報取扱事業者でないとしても、委託元には、委託先であるフリーランスに対する監督義務がありますので、フリーランスが適切に個人情報を取扱っていない場合には、委託元が監督責任違反になり得る可能性がありますので、注意が必要です。(コラム:委託先の監督義務についてをご参照ください。)

2.著作権法

2つ目に、フリーランスが気を付ける法律として、著作権法が考えられます。

ChatGPTを利用する際、例えば、広告文章の作成を委託され、「Aについて、Bの広告と似た広告を作成して」といった指示を入力した場合に第三者Bの著作物に類似する回答がChatGPTからなされる可能性が高くなります。

著作物というには、「①思想又は感情を ②創作的に ③表現したものであつて ④文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」であることが必要になります。

広告文章についても、「筆者の個性が発揮されたものとして、「思想又は感情を創作的に表現したもの」といえるかどうかが著作物の判断基準になってきます。(コラム:他社のホームページを真似したホームページは著作権侵害になる?をご参照ください。)

広告文章作成時に、ChatGPTに頼ったところ、意図せず第三者の著作権侵害になってしまったということになってしまう可能性もあるため、ChatGPTに第三者の著作物の内容を入力する場合には注意が必要です。

 

また、ChatGPTにおいて文章等だけではなく、本コラム執筆時点ではChatGPTにおいてロゴデザインを生成するツールも登場しており、ChatGPTで生成したロゴが第三者が登録した商標と類似していないかという点にも注意が必要です。

3.景品表示法

3つ目に、フリーランスが気を付ける法律として、景品表示法が考えられます。景品表示法では、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定められています。ChatGPTは、現時点では、回答内容が事実に反し不正確な場合があり、正確性の担保がされているわけではありません。

出力された内容に誤りや、誇大広告と評価されてしまう可能性のある表現が含まれてしまうことや、優良誤認表示や有利誤認表示に該当するような出力がされる可能性も考えられます。

おわりに

今回紹介した法律以外にも、ChatGPTの利用時には、出力された回答内容の真偽や適否の確認を慎重に行うことが大切です。

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