インターネットを利用したサービスを展開しようとする際に、注意しなければならない法律の一つとして、「出会い系サイト規制法」(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)があります。
まず、この法律は、「インターネット異性紹介事業」を規制しています。
そして、「インターネット異性紹介事業」とは、
① 面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
② 異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
③ インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
④ 有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。
以をいいます(2条2号)。
このうち、①の「異性交際希望者の求めに応じ」とは、サイト開設者がサイトの運営方針として、「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供していることを意味します。
また③については、
「異性交際希望者」同士が電子メールや2ショット・チャット等の電気通信を利用して相互に連絡することができるようにする機能を備えていないサイトは「インターネット異性紹介事業」に該当しません。
また、チャット等のうち公然性を有するものは、一対一の連絡ではないことから、「相互に連絡」には該当しません。
(以上について、警視庁「インターネット異性紹介事業」の定義に関するガイドライン)
このように、「出会い系サイト規制法」の規制範囲はかなり厳格ですので、意図せずして同法違反になる可能性は比較的低いといえます。
もっとも、「インターネット異性紹介事業」を行うには、事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出をしなければなりませんので(7条)、迷ったときには、必ず調査をし、必要であれば必ず届け出その他の対策をしてください。
また、この法律の規制範囲ではなくても、自社のサービスが「出会い系」の温床となってしまうことは避けたいところです。
そこで、投稿機能のあるサービスを展開する際には、最低限、①利用規約にて、「面識のない異性との出会い等を目的として利用する行為」を禁止し、②何らかの方法(人による監視やソフトウェアによるチェックなど)で投稿を監視することが必要となってきます。