コラム

インターネットと個人情報

個人情報の取得・利用に関する4つのルール

*本コラムは令和4年4月1日施行の改正個人情報保護法を前提にしています。

個人情報保護法では、事業者が個人情報の取得をする際に守らなければいけないルールがいくつか定められています。ここでは、大きく4つのルールについてご紹介します。

このテーマについて相談する(初回30分無料)

① 利用目的の特定と公表

「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければな」りません(法第17条1項)。

具体的に利用目的を特定している事例としては、以下があげられています(個人情報ガイドライン(以下、「ガイドライン」といいます。)3-1-1)。

「事業者が商品の販売に伴い、個人から氏名・住所・メールアドレス等を取得するに当たり、「○○事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします。」等の利用目的を明示している場合」

逆に、具体的に利用目的を特定していない事例としては以下があげられています。

事例1)「事業活動に用いるため」
事例2)「マーケティング活動に用いるため」

また、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければな」りません(法第21条1項)。

個人情報を取り扱うに当たり、利用目的は、単に抽象的、一般的に特定するのではなく、どのような目的で個人情報を利用されるのかをできるだけ具体的に明確に明示することで、個人情報を利用される本人が一般的かつ合理的に想定でき、個人情報が取り扱われる範囲の予測を可能とする必要があります。

② 利用目的の変更と通知

利用目的を変更する場合には、「変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはな」りません(法第17条2項)。
また、利用目的を変更した場合、「変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表しなければな」りません(法第21条3項)。

「公表」とは、不特定多数の人々が知ることができるように発表することをいい、例えば以下の場合が「公表」に該当します(ガイドライン2-15)。

事例1)自社のホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載
事例2)自社の店舗や事務所等、顧客が訪れることが想定される場所におけるポスター等の掲示、パンフレット等の備置き・配布
事例3)(通信販売の場合)通信販売用のパンフレット・カタログ等への掲載

③ 適正取得

「個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはなりません(法第20条1項)。
当然ですが、個人情報について、本人をだまして取得することも禁じられています。
例えば、「十分な判断能力を有していない子供や障害者から、取得状況から考えて個人情報を家族の収入事情などの家族の個人情報を、家族の同意なく取得する場合」や、「個人情報を取得する主体や利用目的等について、意図的に虚偽の情報を示して、本人から個人情報を取得する場合」、「他の事業者に指示して不正の手段で個人情報を取得させ、当該他の事業者から個人情報を取得する場合」などが例としてあげられています(ガイドライン3-3-1)。

④ 要配慮個人情報を取得する際は原則本人の同意を得る

要配慮個人情報の取得にあたっては、原則本人の同意を得なければなりません。
「法令に基づく場合」(法第20条2項1号)や「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」(同2号)、「当該要配慮個人情報が、本人、国の機関、地方公共団体、学術研究機関等、第五十七条第一項各号に掲げる者その他個人情報保護委員会規則で定める者により公開されている場合」(同7号)等、法第20条2項各号に定められている場合を除いては、あらかじめ本人の同意を得なければなりません。

法第20条2項各号に定められている場合の事例としては、以下のような場合等があげられています(ガイドライン3-3-2参照。)。

・「個人情報取扱事業者が、労働安全衛生法に基づき健康診断を実施し、これにより従業員の身体状況、病状、治療等の情報を健康診断実施機関から取得する場合」
・「急病その他の事態が生じたときに、本人の病歴等を医師や看護師が家族から聴取する場合」
・要配慮個人情報が、「①本人、②国の機関、③地方公共団体、④学術研究機関等、⑤放送機関・新聞社・通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。)、⑥著述を業として行う者、⑦宗教団体、⑧政治団体、⑨外国政府、外国の政府機関、外国の地方公共団体又は国際機関、⑩外国において法第57条第1項各号に掲げる者に相当する者」によって公開されている場合

弊所では個人情報保護法に関するご相談やご依頼をお受けしておりますので、ご気軽にお問合せください。

お問い合わせフォームはこちら(初回30分無料)

PAGE TOP