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SHOWROOMはなぜ資金移動業登録をしないのか

はじめに

SHOWROOMは、人気アイドルやアーティスト、声優等とコミュニケーションを楽しむことができる仮想ライブ空間です。SHOWROOMでは、アーティスト等は、ユーザーからの投げ銭(ギフティング)により、収益を上げることができます。
この仕組みは、実質的にはユーザーからアーティスト等のコンテンツの配信者(配信者)に対する金銭の移動といえます。このようなアプリ(ウェブサービス)内での個人間の資金の移動については、為替取引にあたる場合があり、この場合には資金決済法上の登録が必要となることは、以前にもご説明したとおりです(関連記事:paymoは、なぜ資金移動業登録をしないのか)。
SHOWROOMは資金移動業登録をしていませんが、なぜ、金銭の移動を伴うサービスを提供できるのでしょうか?本コラムでは、SHOWROOMの利用規約から、その理由を解き明かしたいと思います。

SHOWROOMでの「ギフト」の仕組み

SHOWROOMでは、ユーザーは「Show Gold」というポイントを購入し、このポイントを使って「ギフト」を入手します。ユーザーは、この「ギフト」を配信者に「投げる」こと(投げ銭)ができます。そして、配信者は、受け取ったギフトに応じて、収益を上げることができます。

SHOWROOMでの収益の分配

それでは、配信者は、どのようにして収益を上げることができるのでしょうか?
この点については、SHOWROOMの「SHOWROOMライブストリーミング配信規約」に次のように定めています。
――
第5条収益の分配
当社は、配信者が実施するライブストリーミング配信の内容または当該ライブストリーミング配信を視聴するSHOWROOM会員の行動等に基づき、当社の定める方法により当該ライブストリーミング配信を評価し、その評価に基づき当社が定める金員(以下、「分配金」といいます。)を、当社が本サービスにおいて得た収益から収益分配として支払うものとします。なお、配信者が実施するライブストリーミング配信の評価方法、分配金の支払方法等は当社が自由に定めることができ、かつ当社が自由に変更できるものとします。
――
このように、配信者は、「ギフト」を換金して収益を上げるわけではありません。配信者が受け取った「ギフト」を評価の指標の一つとして、運営会社が配信者に分配金(報酬)を支払うことで収益が上がるのです。

ユーザーの直感的イメージ

(ギフトの移転)
運営会社 → ユーザー → 配信者

実際の法律関係

(資金の移転)
ユーザー →  運営会社 →  配信者

おわりに

このように、SHOWROOMは、ユーザーの直感的イメージでは投げ銭(金銭の贈与)ですが、法律構成としては、①ユーザー・運営会社間のギフト購入取引と、②運営会社・配信者間の業務委託(ギフトの売上分配)の2つといえます。これらは、為替取引にはあたらないため、資金移動業登録は必要ありません。
いわゆる「投げ銭」サービスの一つの法律構成として参考になりますので、類似サービスを検討中の事業者は、一度利用規約をご覧頂くとよいかと存じます。