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電気通信事業法の適用がある「他人の通信を媒介」するサービスとは何か

はじめに

電気通信事業法は、電気通信設備を用いて「他人の通信を媒介」するサービスの提供事業者に適用されます。電気通信事業法の適用がある事業者にあたると、検閲の禁止や通信の秘密の保護といった義務だけでなく、行政機関への登録または届出が必要となる場合があります。
それでは、電気通信事業法の適用がある「他人の通信を媒介」するサービスとはどのようなものでしょうか。このコラムでは、ウェブサービスを念頭にご説明します。

電気通信事業法の概要

電気通信事業法の対象となる電気通信事業者の意味は、同法2条の定義規定から明らかになります。
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第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。
二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。
三 電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。
四 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第百十八条第一項に規定する放送局設備供給役務に係る事業を除く。)をいう。
五 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条の登録を受けた者及び第十六条第一項の規定による届出をした者をいう。
六 電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。
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つまり、「電気通信事業者」とは、「電気通信事業」を営む登録・届出をした者で、この「電気通信事業」とは、「電気通信設備」を用いて他人の通信を媒介するなどする者を言います。
このため、ウェブサービスでは、サーバ(電気通信設備)を用いて他人の通信を媒介するサービスを提供すると、本法の対象である「電気通信事業者」となります(届出を要します。)。

「他人の通信を媒介」とは

このように、電気通信事業法の適用を受ける「電気通信事業者」にあたるかには、提供するサービスが「他人の通信を媒介する」ものか否かが大きな分かれ道となります。
ここで「他人の通信を媒介」するとは、「他人の依頼を受けて、情報をその内容を変更することなく、伝送・交換し隔地者間の通信を取次、又は仲介してそれを完成させることをいう。」ことと理解されています。
この定義ではイメージを沸かせにくいので、以下で具体的事例を示して説明します。

「他人の通信を媒介」するサービスの典型例

「他人の通信を媒介」するサービスの典型例は、フリマアプリやマッチングサイトでのユーザー間のメッセージ機能です。取引やマッチングが成立した当事者間のみがやり取りできるメッセージ機能は、「他人の通信を媒介」するサービスといえます。
このように、特定当事者間のみでやり取りができるものであれば、その形式がメール、メッセージ又はチャットのいずれであっても、「他人の通信を媒介」するものとなります。

「他人の通信を媒介」するサービスにあたらないもの

他方で、類似サービスでも、不特定多数の利用者が想定されているものは、「他人の通信を媒介」するものにあたりません。
例えば、電子掲示板やオープン・チャットのようなものは、不特定多数の利用者が文字情報等を交換する「場」を提供するものに過ぎませんので、「他人の通信を媒介」するものに当たりません。

おわりに

このように、サービスが「他人の通信を媒介」するといえるかよって、届出義務の有無等が決まってきます。具体例等を踏まえた、適切な対応が望まれます。