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他社サイトの記事の模倣は著作権侵害になるか

他社サイトの模倣は許されるか

新たにホームページを開設する際に、同業他社のホームページを調査することは非常に重要です。また、調査をする中で、構成やレイアウトなど、同業他社のホームページを参考にすることも多いといえます。

それでは、参考にすることを超えて、他社のホームページを模倣することは許されるのでしょうか。この点が問題となった裁判例(東京地裁平成22年12月10日)があるので紹介します。

事案の概要

本件は、同じデータ復旧サービスを展開する会社間で、原告が被告に対し、原告のホームページの①コンテンツのレイアウト、②文書の構成や記載順序及び③文章の内容を被告が複製・翻案したとして、著作権侵害を主張した事案です。

まず、①コンテンツのレイアウトの点については、原告が

「本件コンテンツは,ウェブページとして視覚的にも操作性の面でも分かりやすくなるよう「サービスメニュー」ボタンが設けられ,その配置,分類及び表現にも配慮がなされ,タブメニューも設置された上,その構成,分類及び表現(「ホーム」→「データ SOS とは」→「サービスの流れ」→「よくある質問」)にも配慮がなされていると」

主張していたのに対し、判決では、

「これらの分類,配置及び表現は,ごくありふれたものであり,作成者の個性が現れているとはいえないから,これらを著作物と認めることはできない。」

として、そもそも著作物性を否定しました。

次に、②文章の構成や記載順序の点についても、判決は

「このような一般消費者向けの広告用文章においては,広告の対象となる商品やサービスを分かりやすく説明するため,平易で簡潔な表現を用いることや,各項目ごとに端的な小見出しを付すること,説明の対象となるサービスとはどのようなものか,どのような場合に利用するものなのか,異なる商品やサービスとの相違点は何かをこのような構成,順序で記載することなどは,広告用文章で広く用いられている一般的な表現手法といえ,原告主張の上記の全体的な表現に作成者の個性が現れているということはできない。」

として、同じく、著作物性を否定しました。

最後に、③文章の内容についても、対象となる文章が多数あったものの、いずれについても「平凡」「ありふれた」ものであるとして作成者の個性が現れているということはできないとしたり、アイデアに過ぎないとして、同じく著作物性を否定しました。

これらの判断は、控訴審である知財高裁でも是認されています(知財高裁平成23年5月26日)。

他社ホームページの模倣は著作権侵害にはなりにくい

ホームページを開設するにあたっては、サービスの内容などを分かりやすく表現しようと工夫するものであり、そこに多大な労力がかけられていることは明らかです。もっとも、この裁判例からは、その「工夫」は、よほど斬新なものでなければ、「個性」の現れといえないと判断されました。このため、同業他社のホームページを参考にし、レイアウトなどを一部模倣したとしても、著作権侵害と判断される可能性は低いといえます。
ただし、著作権侵害にあたらない場合でも、道義的非難の対象となり、当該ホームページが炎上するなどもありえますので、節度ある対応をすることが望ましいといえます。