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どのような場合に利用規約で著作権の取り扱いを定めなければならないか

はじめに

多くの利用規約には、著作権の取り扱いに関する条項(著作権処理条項)があります。著作権処理条項とは、例えば、次のようなものです。
「投稿されたコンテンツについて、ユーザーは当社に対して、日本の国内外で無償かつ非独占的に利用(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、譲渡、貸与、翻訳、翻案、出版を含みます)する権利を期限の定めなく許諾(サブライセンス権を含みます)したものとみなします。なお、ユーザーは著作者人格権を行使しないものとします。」
どのようなサービスを展開するときに、このような著作権処理条項を利用規約に盛り込まなければならないのでしょうか。

著作権処理条項の目的

SNSでは、ユーザーは、サービス上に文章を書き込んだり、写真や動画をアップロードしたりすることができます。これらの文章、写真、動画などは、それぞれ著作物(著作権法第2条1項1号)にあたる可能性のあるものです。このため、サービスの提供者がそれらのアップロードされたコンテンツを勝手に改変等してしまうと、ユーザーから著作権侵害を問われるおそれがあります。
しかし、アップロードされたコンテンツのレイアウトが変わったり、一部が削除されてしまったりすることは、時に避けられません。
よって、最低限、このような場合に著作権侵害を問われないように、利用規約で著作権処理条項を設けておく必要があるのです。

著作権処理条項が不要なサービス

このように、著作権処理条項は、ユーザーから著作権侵害を問われないために設けておくものですので、ユーザーからの投稿(コンテンツのアップロード)が全くないサービスでは必要ありません。
このようなサービスでは、著作権に関しては、利用規約上、コンテンツの著作権が自社又は自社に使用許諾した第三者に帰属しており、転載等が禁止されている旨を注意的に規定しておけば足ります。

シンプルな著作権処理条項

先ほど述べたような、サービスの都合上、やむを得ずコンテンツを改変等してしまう場合のリスクを排除するのみであれば、シンプルな著作権処理条項で足ります。
これは、例えば次のようなものです。
「当社は、本サービスの提供に必要な範囲内で、ユーザーの投稿に対して変更、切除その他の改変を行うことができるものとします。」

包括的なライセンスを受ける著作権処理条項

リスクを排除するだけでなく、ユーザーがアップロードしたコンテンツを活用したい場合には、一歩進んで、ユーザーから包括的なライセンスを受ける必要があります。このようなサービスでは、冒頭に掲載したような詳細な著作権処理条項を設ける必要があります。
(再掲)
「投稿について、ユーザーは当社に対して、日本の国内外で無償かつ非独占的に利用(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、譲渡、貸与、翻訳、翻案、出版を含みます)する権利を期限の定めなく許諾(サブライセンス権を含みます)したものとみなします。
なお、ユーザーは著作者人格権を行使しないものとします。」

著作権の譲渡を受ける著作権処理条項

更には、もっと進んで、利用規約で、投稿されたコンテンツの著作権はサービス提供者に譲渡されると規定することもできます。
しかし、ユーザーに不利な内容であるため、争われた場合に利用規約の有効性に疑義が生じる可能性もありますし、それ以前に炎上の対象となることもあります。よって、合理的理由がない限りは、著作権譲渡を受ける旨の規定は望ましくないといえます。

おわりに

このように、ユーザーからの投稿(コンテンツのアップロード)があるサービスでは、利用規約に著作権処理条項を設けておくことが必要です。そして、その著作権処理条項の具体的内容については、各サービスに応じて、ユーザーからどこまでの許諾を得ておく必要があるか、よく検討しておく必要があります。