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利用規約上の禁止事項とペナルティ

悪質な行為があった場合の民法上の原則

そもそも、ウェブサービス運営者とユーザーは、ウェブサービスの利用にかかる契約を締結しています。
したがって、利用規約において禁止事項を定めている場合には、ユーザーには禁止事項に定められている行為をしない義務があるのにこれに反したとして、民法上、運営者はユーザーに対して損害賠償請求をし、また、契約の解除をすることが可能であると考えられます。
また、禁止事項が定められていない場合に関しても、一定の場合には同様の対処をすることが可能であると考えられます。
もっとも、損害賠償請求や、解除をしようとする場合、運営者は当該違反をしたユーザーを特定した上で、個々に請求、通知をしなければなりません。
そして、仮に当該ユーザーがスムーズに損害賠償請求や解除に応じたとしても、賠償金の支払いや利用料の払い戻し額の金銭のやり取り等、関連する手続きは煩雑です。
しかも、そのような手続きを複数の悪質なユーザーごとにしなければならないわけですから、運営者の負担は過大なものとなりえます。

利用規約における対応

民法上の対処は、多数のユーザーを相手にするウェブサービスにおいては、上記のように非常に煩雑なものとなります。また、軽微な禁止事項違反に対して解除や損害賠償請求をすることは過剰な制裁となりますし、一方、これを避けるため対処を控えれば、逆に実効性がなくなってしまいます。
そこで、ウェブサービスの運営については、①利用規約で禁止事項を定め、これに実効性を持たせるため、②ペナルティの規定を設けることが必要となってくるのです。

望ましい「禁止事項」とは

禁止事項を定めるにあたっては、何が禁止されているかをユーザーに予告し、また運営者側にとっても対処をしやすくするため、可能な限り、起きうる事態を挙げるべきです。
但し、禁止事項については、ユーザーに読んで理解してもらい、そのような行為を控えてもらうことが最も重要であるため、起きうる事態をできるだけ挙げつつも、過度に詳細・長大な規約とならないよう、読みやすさにも配慮する必要があります。
また、念のため、「その他運営者が不適切であると判断した場合」などのいわゆるバスケット条項を設けておくことも必要であると考えます。
更に、ペナルティを定める場合については、違反に応じた適切な対応を取るため、アカウント削除、サービスの利用の一時停止、一部の機能の制限など、多様な対処方法を定めるとよいものと考えます。

おわりに

利用規約によって事前に禁止行為・ペナルティが定められていれば、運営者が対処をしなくとも、ユーザーに対する一定の歯止めにもなります。
良いウェブサービスをつくっていくためには、事前に、起こりうるリスクにも目を向け、対処していくことが必要と考えます。